中医学的では滋養強壮を補養薬(具体的には補陰、補気、補血、補陽)の作用と解釈することができます。身体にとって不足しているものを外から補おうとする考え方です。この考えは西洋医学的に見た場合、ビタミン不足に対してビタミンを投与して補う考えにも類似していますが、中医学の考え方は弱っている身体全般に対して補充を行うのが特徴といえます。一方では、精力剤的な考え方として特に不足状態は見られないがさらに機能を強める作用と解釈される場合もあります。

病気=半健康=健康の考え方があります。半健康の状態は検査しても異常は見られないのですが、本人自身には何らかの自覚があるような状態に相当するものです。この様な場合には身体の機能がバランスを乱していることが多く、そのまま放置しておくと本当の病気に発展することも少なくありません。不定愁訴とも称されたり自律神経失調症とされる場合もあります。私たちの身体には自然治癒力が備わっており、乱れたバランスを正常な状態に戻そうと調整する働きが備わっていますが、半健康とはこの働きが低下している状態と捉えることができます。

滋養強壮とはこの自然治癒力を高めて、乱れた身体のバランスを正常化することです。この作用は見方を変えれば本当の病気に発展することを予防する効果にもつながります。半健康の状態では、機能的失調から冷え性(冷え症)、種々のバランスの乱れ、虚弱体質、胃腸虚弱、血色不良などの自覚症状が現れてきます。滋養強壮作用によって自然治癒力を高め、バランスの正常化をはかることで、改善効果が期待できます。

食事からの対処法

食事の中にも滋養強壮を意識した薬膳の考え方があります。グルメとしての薬膳ではなく、毎日の食事の中に、特別な食材を用いる事なく、少しの工夫をすることで健康維持に繋げていこうとするものです。たとえば、季節の旬の食材を摂ることや、その地で採れた食材を用いることで、自然との調和をはかり、自然を体内に取り入れる考え方です。補養薬とされるものの中には枸杞の実(枸杞子)や山芋(山薬)のようにそのまま食材として用いられているものが沢山あります。うまく自分に合わせて薬膳をたしなむことも滋養強壮の基本の一つになるでしょう。